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常田所長 NASA次世代宇宙望遠鏡HWOへの日本の参画に向け米国研究機関を訪問

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常田佐久所長は、2026年3月30日から4月3日にかけて、日本の天文学・宇宙科学研究者からなる代表団を率いて米国の主要研究機関を訪問し、NASAが計画する次世代大型宇宙望遠鏡「Habitable Worlds Observatory (HWO)」への日本の参画について協議しました。(写真上: 宇宙望遠鏡科学研究所 STScI の関係者と日本代表団)

HWOは、太陽系外に存在する地球に似た惑星を直接観測し、その大気を詳しく調べることで、生命の存在を示す兆候を探索することを主要な科学目標とする宇宙望遠鏡です。また、銀河や星の形成・進化など、幅広い天文学研究に飛躍的な進展をもたらすことが期待されています。

今回の訪問には、JAXA、国立天文台、大学などの研究者が参加しました。代表団は、NASA ゴダード宇宙飛行センター (GSFC)、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所 (APL)、宇宙望遠鏡科学研究所 (STScI) などを訪問し、HWO 計画の責任者や研究者と、日本が貢献できる科学技術分野について具体的な意見交換を行いました。

協議の中心となったのは、中心星の強い光を抑えその周囲を回る地球型惑星からの微弱な光を観測する近赤外線コロナグラフと、紫外線から可視光の分光観測を行う面分光装置 (IFS) の二つです。これらは HWO の科学目標を実現するうえで重要な観測装置です。

日本側は、すばる望遠鏡の高コントラスト撮像装置 SCExAO を利用した新技術の実証や、日本の宇宙科学ミッションで培われた観測技術、国内企業が有する高度な光学・検出器技術などを紹介しました。特に、すばる望遠鏡を HWO の観測技術の開発・検証に活用する構想は、米国側から高い関心を集めました。

訪問先の各機関からは、日本の本格的な参画に対して強い期待が示されました。また、日本が観測装置の開発を主導する可能性も含め、幅広い協力形態について議論が行われました。

「宇宙基本計画」(2023年6月閣議決定) では、NASA が主導する次世代大型宇宙望遠鏡 HWO への日本の参画が明記されており、我が国の強みを生かして国際的な大型宇宙科学計画に主体的に参加する方針が示されています。今回の訪問は、この政府方針を具体化するための重要な取り組みであり、日本が HWO の主要な国際パートナーとして、観測装置の開発などに中核的な役割を果たすことを目指すものです。こうした国際協力は、世界最先端の科学研究への貢献に加え、国内の先端技術の発展や次世代研究者の育成にもつながることが期待されます。

今回の訪問により、HWO への日本の参画に向けた具体的な協力分野が明確になり、米国の主要研究機関との連携を深めることができました。今後は、観測装置の開発構想の具体化、技術実証、研究者交流などを通じて、日米協力をさらに発展させていくことが期待されます。

常田所長は、「若い世代の日本の研究者が力を合わせ、日本ならではの技術を生かして NASA の HWO 計画に貢献していくことを期待しています」と述べています。

今回の訪米計画の立案・調整に多大なご尽力をいただいた、テキサス大学サンアントニオ校の Christopher Packham 教授に深く感謝いたします。

写真: (下左) 宇宙望遠鏡科学研究所 (STScI) での会合の様子 (2026年4月)。(下右) 左から Matt Mountain 米国天文学研究大学連合 (AURA)会長、常田 ARC 所長、Jennifer Lotz STScI 所長 (2026年4月)。