News -Director’s activities

常田所長 SPACETIDE 2026に登壇 月面経済圏実現に向けたエネルギー戦略を議論

Posted on: Up date:

シェアする

常田所長が2026年7月7日、アジア太平洋地域最大級の国際宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE 2026」において、パネリストとして登壇しました。セッションのテーマは、「民間宇宙企業は月面経済圏のエネルギー課題にどう立ち向かうのか」(“How Can Commercial Space Address the Energy Challenges of the Lunar Economy?”)です。

米国のアルテミス計画をはじめ、世界各国で月への有人探査や長期滞在を目指す取り組みが進められています。科学研究や探査に加え、将来的な月面経済圏の構築には、安定したエネルギー供給が不可欠です。セッションでは、学術界、民間企業、政府がそれぞれ果たすべき役割や連携のあり方に加え、太陽光発電、燃料電池、ラジオアイソトープ電源、原子力などを組み合わせた発電・蓄電・送電技術や、それらを統合・制御するマイクログリッドの必要性について、第一線で活躍するパネリストらが議論を交わしました。

写真1: 月面経済圏を支えるエネルギー技術への関心は高く、会場はほぼ満席となりました。

常田所長は、月面経済圏の成立には、月面にどれほどの水資源が、どこに、どのような形態で存在するのかを正確に把握することが不可欠であると指摘しました。その上で、「米国航空宇宙局 (NASA) が主導するVIPERや、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) とインド宇宙研究機関 (ISRO) が共同で進めるLUPEXミッションにより、月面の水資源の分布や存在形態、さらには資源としての利用可能性について重要な知見が得られることが期待される」と述べました。

さらに、科学的知見と数多くの国際宇宙プロジェクトで培った経験を踏まえ、常田所長は、「持続可能な月面経済圏を実現するためには、太陽光発電、蓄電池、燃料電池、原子力などを組み合わせた総合的なエネルギーインフラと、それらを効率的に運用・管理するシステムが不可欠である。また、通信分野と同様に共通規格に基づく相互運用性を確保し、各国・企業が連携して長期的に発展可能な月面インフラを構築することが重要である」との見解を示しました。

最先端技術の開発に取り組む皆様と、月面経済圏の実現に向けた重要な課題について議論する貴重な機会をいただきました。SPACETIDE の関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

写真2: 左より、
– SPACETIDE 共同創設者 兼 理事 兼 CSO 佐藤 将史 氏
– SPACETIDE COO Francois Poncin 氏 (本パネルのmoderator)
– 三菱重工業株式会社 防衛・宇宙セグメント 宇宙事業部 事業部長 五十嵐 巖 氏
– 千葉工業大学 天文学研究センター 所長 常田 佐久
– Zeno Power, Senior Vice President of Space Business Development C. Charania 氏 (元NASAチーフテクノロジスト (最高技術責任者))
– SPACETIDE共同創設者 兼 代表理事 兼 CEO 石田 真康氏
Volta Space TechnologiesのDiego Paldao 氏はオンラインで参加しました。